鈴木さんと佐藤さん
安心、安全は当たり前。求めているのはその先のおいしさ
ハンバーガーには欠かせないレタスですが、普段は脇役的存在。
しかし、主役級のおいしいレタスを育てているのが、鈴木貴博さんです。
おいしいレタスを求めて、鈴木さんと二人三脚で、ここまでやってきたのが
株式会社モスフードサービスの商品開発部リーダーの佐藤秀行さん。
安心で安全なのは当たり前。
求めているのは、その先にあるおいしさ。
「食べた人を感動させるようなレタスを作りたい」
そんな思いを胸に、とびきりおいしいレタス作りを目指しています。
農家の僕より知識が高くてビックリしました
二人の出会いは5年前。
「肥料や農薬、どういうのを使っているかというチェックを協力産地すべて回る。
野菜の種を落とすところから、お客様の口に入るまで、
全責任を私が担当しています」(佐藤さん)
「バイヤーというのは作物を知らない方だと思ってたんですけど、
一農家の僕より、知識が豊富でビックリしましたね」(鈴木さん)
佐藤さんが提示したレタスの審査基準は、おいしさを求める鈴木さんにとって
最高の目標になりました。
「切ったお尻を押して弾力がある、七分結球から八分結球というガチガチに固まらない
っていうのが、我々が一番おいしいと思うレタスの収穫適期ですね」(佐藤さん)
鈴木さんがレタスのお尻を叩いて芯を抜き、二つに割って中を見せてくれると
ふんわりきれいに葉が巻かれていました。
クレームに対してもすごく熱心に解決に取り組んでくれる
静岡県大井川町という豊かな地下水源と水はけの良い場所に加え、
お客様からの直接の声も鈴木さんにとっては重要です。
「私も畑に出ている時以外は、モスバーガーの本部でクレームの電話を受けているんです。
お客様からの声は鈴木さんにすぐ返すんです。
そういうことに対し、彼はすごく熱心に解決に取り組んでくれるんで」(佐藤さん)
鈴木さんの情熱に感動した佐藤さんは、持てる知識と情報のすべてを
鈴木さんに注ぎました。
二人の弟も加わり、今では年商9000万円。
努力と情熱の成果が表れています。
農閑期に枝豆を植えて土に栄養を
おいしいレタス作りの鍵は、農閑期である夏の作物作りにもありました。
レタスの収穫が終わる初夏、鈴木さんはレタスの輪作として枝豆を育てます。
根っこを掘り出してみると、何やら小さな粒がついています。
根粒菌です。
根粒菌とは、豆類の根に形成される微生物で、空気中の窒素を養分として取り込み、
土を豊かにする働きがあります。
「我々はレタスの取り引きをさせてもらってますけど、彼は夏の枝豆があるからこそ
冬にいいレタスが作れるんですね」(佐藤さん)
「豆科の植物は、土に栄養を与えてくれる力があるんです。
レタスを作るための下準備として作物は何が良いか、
その中で枝豆を選んだんです」(鈴木さん)
新鮮なおいしさを届ける工夫
午前5時。
爽やかな緑色が一面に広がるレタス畑で、出荷のための収穫が始まります。
採れ立てのレタスの葉の瑞々しいこと。
この「畑で味わった新鮮なおいしさという感動をそのまま届けたい」
という思いで、鈴木農園では、風通しの良いプラスチックコンテナで
レタスを届けています。
ダンボールは密封されると温度が40度まで上がってしまうからです。
新鮮さにこだわる徹底した品質管理が息づいています。
おいしさが最大限に引き出されお客さんの元に
午前10時。
トラックが到着するとすぐに、店内では冷たい氷水の中にレタスが放たれます。
そして、パリっと新鮮さが蘇ったレタスは、包丁ではなく手でちぎられます。
これは切り口の変色を防ぐため。
パンを焼き、ジューシーな肉の上にソースをかけ、レタスをたっぷり!
その上にマヨネーズを乗せ、パンで挟み、さらにソースをかけて出来上がり。
鈴木さんと佐藤さんの思いの詰まったレタスは
店頭のスタッフによって、そのおいしさを最大限に引き出されて
お客様の元に届けられるのです。
ハンバーガーの中にレタスがなきゃダメなんだ
「僕のレタスは、ハンバーガーに入れたら、主役になるんだよと、
ハンバーガーの中にレタスがなきゃダメなんだよっていう位、
レタスを感動のものとして育てているので、そこはすごく大事」
レタスを育ててきたこの10年で、鈴木さんが一番感動した瞬間は、
「世界で一番おいしい!」
とそのハンバーガーを食べた子供が言ったのを偶然耳にした時。
食べた人に感動を与えるレタスを目指して、
これからも鈴木さんと佐藤さんの二人三脚は続いていきます。
PROFILE
鈴木貴博●1976年4月13日生まれ。静岡県出身。
大学時代、両親が借地農業を始め、手伝う中で、植えておけば育つという
考えを打ち砕かれ悔しくて就農することに。
大学卒業後、1年間山梨県の農園に就職し、勉強する。
現在、次男の崇文さん、三男の靖久さんとともに、
レタス12ヘクタール、枝豆6ヘクタール、ミニはくさい2ヘクタール
分の野菜を育てている。